白石一郎に見る「日本の歴史」

2011年7月16日 by Shutaro Kobayashi

スタッフの斉藤さんが現在の「電子書籍」について語っているところに
第15回 [ 国際 ] 電子出版EXPOレポート
こちらは「アナログの書籍」のことについて書く。。

昨年のNHK大河ドラマの「龍馬伝」や今年完結したTBSドラマ「」など、「幕末」を舞台にした作品を多く見る。何年か前だとNHKの大河ドラマは「幕末」をやると視聴率がとれないなんて事を本か何かで目にした。時代背景がややこしいとか、みんなカッコいい「鎧」きてない等、いろんな不人気の理由が考えられるが、個人的には日本の歴史では一番好きな「時代」なので、「幕末もの」が人気がでてきたことは嬉しい事だ。

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「サムライの海」 著:白石一郎

白石一郎の本は「歴史小説」が多いが、特徴として「」がかならず舞台となっている。タイトルから分かる通り、この作品もそのひとつだ。
NHKの大河ドラマは「歴史上の人物」が主人公になる事が多いが、この本は主人公は創作の人物である。「歴史上の出来事」と共に勝海舟、榎本釜次郎、高杉晋作、坂本龍馬、トーマス・グラバー等の歴史上の人物と交流し展開していく「半分フィクション」である。

舞台は江戸時代末期の長崎。砲術家の子の「蘭次郎(主人公)」が勝海舟の「海軍伝習所」に入所する所から始まり、そこで航海術を学ぶ。・・が、長崎の五島沖へ航海練習中に嵐にあい遭難してしまう。蘭次郎は五島列島の「鯨組主(鯨漁師)」に助けられたことから運命が変わり、西洋式捕鯨術の取り入れに生きがいを見い出していくという物語。

普通「幕末歴史もの」だと、主人公は「日本の近代化に向けて志士(戦士)」となるものが、これは違う。だが、「形」は違うが「日本を近代化する為に必至」になる点では同じである。歴史上の「事件」などは色々なメディアから伝わるが、海の漁の近代化の様子なんぞ知る機会がないので先が読めず面白い。

フィクションなのだが、歴史上に登場する「実在の人物」と交流し、やってる事は「戦い」と「捕鯨」で違うが、共感しあいそれぞれの道を進んでいく様は応援したくなる。
歴史上の人物「高杉晋作」が、明治維新の戦いの最中に病に倒れた後、病床で主人公に「いいなぁ、俺も戦なんかやめにして鯨でも捕りに行きたいなあ」の台詞は感動する。フィクションなのだが、「こんな歴史があった」と信じたい。

小説はあまり読まないが、たまには「苦手なもの」もチャレンジしてみると、意外な面白さにめぐり合う時もあると思うので、皆さんも色々体験してみましょう。

追記
「白石一郎さん」はこの「サムライの海」で第83回直木賞にノミネートされるが、落選。その後、97回直木賞を「海狼伝(やっぱり海の歴史物)」で受賞する。・・・でも、直木賞自体はよく知らないので詳しくは書けません。
白石一郎さんは、2004年に病気で亡くなられたそうです。良い小説をありがとうございました。賞なんか関係なく私のなかでは「ベストセラー」です。

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