加藤大道の版画

2012年4月4日 by Yuichi Kasai

以前、風穴の里で1枚の版画の絵葉書に出会ってから、ずっと気になっていた加藤大道という版画家。
美術館自体はカフェの中に併設されたギャラリーで、注文したコーヒーを待つ間にふらりと鑑賞に耽る懐かしさがあります。

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信州安曇野で生まれ、南宗画や版画を通して信州の風景や家族や子供たちの生活を描き、右目失明のなかでも永井隆博士や相馬御風との親交の中で創作活動をしていた経緯を読み取ることができます。オーナーの古畑さんによれば、父親が収集したコレクションを飾るために用意したギャラリーだったが、加藤大道のコレクションが中心だったため、それを聞きつけた知人や、別のコレクター達が寄贈もしくはお貸しいただいたもので成り立っているとの事。作品が人と人をつないでいった話が印象的でした。

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相馬御風の解説がとても加藤大道を言い表していると感じましたので掲載します。

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加藤大道の版画
相馬御風(糸魚川にて)

信州の山奥の村にどっかり腰を据えて、独特な味を持つ版画に生命を打ち込んでいる加藤大道の
版画を、私は機会あるたびに見た。山国の自然の美しさ、純真でしかも詩味豊かな山国のこどもの
生活、素朴なうちに限りない情緒を蔵した山村の風物が澄んだ美しい色彩と力強く且つ柔か味の
ある線とで、いみじくも描き出されている。
広重の風景版画に野趣を加えたと言いたいほどの特色の外に、汲み尽くせないほどの童心の泉と
山村の果汁とが蔵されている。このような日本独特の芸術の郷土性はおそらくいかなる国の人々に
も愛されるだろう。私はこの謙虚な、しかも自信に充ちた辺土土着の老芸術家の心情に大いに打た
れるところがあった。かくもつつましく生きつつ黙々として独りいそしみ、いささかたりとも、日本の生
活に『美』を加えてゆくことに限りなき歓びの日々を山奥にかくれて送りつつあるこの様な人の生活
は、私に懐かしさを覚えさせるのであった。
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加藤大道美術館 (カフェプレイエル 内)
〒390-1401 松本市波田3058-5 TEL:0263-92-8158

4月22日にピアノの演奏イベントがあります。
→ Pleyel(1923 in Paris),Erard(1909 in Paris)演奏仲間募集


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