草間彌生-永遠の永遠の永遠-(松本市美術館)

2012年10月26日 by Yuichi Kasai

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草間彌生さんの作品は、その水玉模様やカボチャの作品で有名ですが、本来はとてもインパクトがあり、強く、時として悲しく辛いような印象があって、いつも少し距離をおいて眺めていたように思います。それが今回、しっかり観ようと感じたのは、近年の携帯電話とのコラボだったり、『ヤヨイちゃん』や『リンリン』の存在、または9月に放映されたテレビで、松任谷由実さんとの対談を通して草間彌生さんという存在の一部が優しく身近に感じられたからだと思います。比較的多くの方が同じように感じ、ファンになった人もいるように思います。

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モノクロのシルクスクリーンの作品【愛はとこしえ】シリーズでは、顔のパーツや輪郭を分解させ、繰り返し、反復し、あるいは網目のように散りばめて表現しています。目の錯視程ではないながらも、オプ・アート的な印象を感じさせつつ、点々と散らばる『ネックレス』、『眼がね』、『帽子』や『アルファベット』の線画が、子供が自分の集めていた宝箱から丁寧に拾い出して見せているようにも感じとれて、不安定な形状をした輪郭線の隙間で、温かな血液の流れのように理性が感じられて何故かほっとします。

続いて近年の【わが永遠の魂】シリーズでは、色彩が加わりながらも、水玉模様の一つ一つに、上の写真のように機械的に作られた水玉模様や、シルクスクリーン作品の【愛はとこしえ】シリーズでも隠れていた、彼女本人の筆跡を見て取ることができ、創作に没頭する彼女の息遣いや筆遣い、そして彼女の『戦い』を生で垣間見れたような気がして強く心に残ります。やはり何か一心不乱に祈っているような、例えば、高村智恵子が切り絵を永遠に切り抜いているような彼女の作品を生み出す原動力に魅力を感じているのだと思います。

その他、インスタレーションが一定のリズムを保って配置され、最後に一番上にあるカボチャの置いてある中庭まで来ると、幼少から現在までの、そしてオキーフへの手紙と彼女の海外でのアート活動などの流れを綺麗に感じ取ることができたなあ。と思いました。

草間彌生も松本の出身。そして彼女が師と仰ぐ松澤宥も下諏訪町出身。以外や長野県は現代美術の土壌だなと思います。

●草間彌生
http://www.yayoi-kusama.jp/

松本市美術館 草間彌生-永遠の永遠の永遠-
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/
〒390-0811 松本市中央4-2-22
TEL.0263-39-7400


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