大王わさび農場

2007年9月6日 by Eiji Saito

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黒澤明監督の映画『夢』のロケ地として知られる大王わさび農場。いまや安曇野を代表する観光地の一つのようですが、意外にも自宅からそう遠くないところにあると知り、映画中のあの幻想的な「水車のある村」へと導かれるようにして足を運んでみました。

 農場の入口付近は予想していた以上に観光客で賑わっていて、少なからず映画のシーンのような清閑さを求めていた身としては最初にこそ肩透かしをくらったものの、やはり水車小屋とその周辺、川面に揺らぐ水草と木漏れ日による風景の妙には心が洗われる思い。

 

少し歩くと見事なわさび畑が視界一面に開けます。実は最近、蕎麦であれ寿司であれ、自分が相当のわさび好きであるらしいことに今さらながら気づいたのですが、それくらい目立たなく脇役でしかないわさびが、これほどまでに恵まれた環境でなければ育ちえないというあたりまえの事実に直面したとたん、まさしく威風堂々と景観の主役に躍り出てしまうのだから不思議です。

 

黒澤が自らの夢を描くうえで、そのモチーフとして安曇野のわさび農場を選び、水と翠を際立たせたのだとすれば、そこには何かしらわさび農場のうちに心象風景としての故郷を垣間見たということかもしれません。そういえば、透き通るほどの美しい水しか受け入れないというわさびの気高い(?)特質も、どこか黒澤のような完璧主義者に通じるものが感じられはしないでしょうか。

 

余談ですが、売店で自信ありげに売られている「本わさびソフト」なる妖しげなソフトクリーム、騙された思いで口にしてみれば、これが意外なほど舌に馴染み、食べ終わる頃合いにはすっかり惚れ込んでしまっているという按配。
(これのためだけに、既に再訪していたりして)
ソフトクリーム自体は控えめながらももちろん甘く、それでいてワサビ特有のピリリとした刺激もほんのりと残っています。
完全に涼しくなってしまう前に、もう一度くらい味わっておきたいところ。

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