eBook業界を概観する

2011年3月30日 by Eiji Saito

フォーマットやプラットフォームがいまだ乱立状態のeBook(電子書籍)業界。さらに現状をややこしくしているのが、EPUB形式をはじめとする書籍形態(テキストがリフローするタイプ)と、アプリ形式のようにデジタルコンテンツを搭載した雑誌形態との違いが制作する側でも混乱しているためかと思われます。

この5月の策定へ向けて調整が進んでいると思われるEPUB3もHTML5と密接な関係にあるようなので、ここしばらくはeBook(とIndesign環境)周辺にこだわってみたいと思っています。

今日はそのスケッチを制作サイドから。

■ゆくゆくは業界標準になると思われるEPUBも、現段階では縦書き表示やルビの問題から日本では足踏み状態。WEBテクノロジーベースのため、Dreamweaverを使いながらSigilなどの電子書籍専用エディタで補助していくのが一般的か。

■IndesignはもともとDTPを中心に据えたレイアウトソフトでありながら、早くからインタラクティブなコンテンツとの連携を模索してきたプロセスと実績があり(実際、Quark Xpress3.3全盛の頃からは信じられない方向への進歩です)。Indesignのポテンシャルを最大限に引き出せそうなAdobeの推し進めるソリューション、ADPSの展開に期待したい。

■アドビはEPUB3.0が策定された暁にはADPSにも実装したいと明言している。ということはレイアウトが厳密な雑誌形態でもテキストリフローが可能になるということだろうか。上記の二つの流れが統合されていく見通しが出始めてきたのはよいことのような、難題も多いような。

ということでこのeBookの世界、しばらくの間はアプリ系とEPUB系の両方の動向を窺いつつ追いかけていくことになりそうです。

それと、意外に見落としがちなのが人の「所有欲」かもしれません。アプリ系がこれだけもてはやされるのにはそれなりの理由がありそうです。ダウンロードという行為が心理的に所有欲を満たすのに一役買っているような気もします。

逆にWEBブラウザに表示されるものは、自然と「ネット上にあるものを閲覧している」という意識が働き、それがどこか「自分のものではない」という感覚に直結している部分はあるのかと。最も効率的・未来志向であるかに見えたGoogleエディションの人気・知名度がいまひとつなのもそのへんに原因があるのでしょうか。奮起を期待。

eBookの今後にデバイスの普及と販路の確立が鍵を握っていることは間違いないはず。そのあたりも随時注目していきたいと思います。
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