デジタル著作権管理「DRM」迷走記~iTunesからeBookまで~

2011年4月28日 by Eiji Saito

近年、誰もが言葉だけはよく耳にするDRM(Digital Rights Management)。デジタル著作権管理の総称ですが、世間一般に広まったのは初期iPodなどが一般に浸透し始めた頃かと記憶しています。

PCなどが広く普及することでデジタル化された音楽や画像がいくらでもコピーできるようになり、さらにその品質はほとんど劣化することがない・・・とあれば、違法コピーと著作権をめぐっての議論がわき上がるのも当然といえば当然。そうした問題が膨らんでゆく以上、ソフトなどに再生の制限をかけるDRMの導入はやむをえない側面が大きかったと思います。

エンドユーザーの反応はどうだったかというと、少なくとも当時周辺にいた人たちの印象としてはマイナスイメージばかりが先行していたような気がします。また、そのへんのユーザーの意識を感じとってのことでしょうか、DRMじたい必ずしも徹底化していたとはいえず、たとえばiTunesに取り込んだ音楽をCDに焼いてしまえば他のプレイヤーでも再生可能になるなど、ちゃっかり抜け道が用意されていたりしました(雑誌などでもその方法がフツーに紹介されていたり)。

このDRM問題、いままたeBookの世界でも生じ始めているといえそうです。ただでさえフォーマットが乱立しているというのに、せっかくフォーマットが同一でもデバイスが異なれば読むことができないというケースが出てくる!ストアサイドの配慮として、一度購入したユーザーには異なるデバイス用にも無料でダウンロードできるようにする、などいくつか有効と思える策は講じられているようなのですが。

世間の風潮(?)としては依然としてDRMフリーへの期待が大きいようにも思えます。ただ、それほど単純な問題でもないのは確か。これから先eBookの世界が大きくなるにつれ、個人ベースで出版・販売する人も増えてくるだろうことを考えると、今度はDRMが自らを守る技術にもなりうるわけで、そうなるとこれまでのようにDRMフリー前提!と連呼していられるかどうか。

ここで軽はずみに判断すべき問題でもありませんが、すべての人がユーザーであると同時に制作者ともなりうる現在、いずれにしろエンドユーザーにとって使いやすく、かつ発信者にとって納得のできる方向へと進むよう、状況を見極める能力と知識を身につけてゆく必要がありそうです。
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