京都駅ランドスケープ

2011年8月12日 by Eiji Saito

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先日、仕事の関係で京都へ。さすがに古きよき京都を満喫する時間はとても捻出できませんが、電車の待ち時間を利用しての京都駅散策ならできるかも、と思いiPhoneのカメラのみでスナップショット。

以前から京都駅の建築には惹かれるものがあり、その広場をはじめとする空間設計の妙に感歎していたのですが、実際に歩いてみるとモダンとポストモダンの融合した異空間という印象。それでいて統一のとれたデザイン力によるのか、駅周辺をも含めた一帯を一つの都市たらしめているところはさすが。

竣工されたのは1997年、当時かなり話題になりましたが設計にあたっては国際コンペが行われ、安藤忠雄や黒川紀章、ベルナール・チュミといった並みいる競合をおしのけ勝ち抜いたのは原広司。巨大な吹き抜けが特徴の、国内でもまれにみる印象的な駅の完成となりました。

設計コンセプトは「京都は歴史への門である」。京都を歩くと誰もが感じる碁盤目を駅の設計にも取り入れ、烏丸通と室町通に「門」を設けたかたちになっているとのこと。

全体としては大きく三つのセクションに分かれますが、それらを貫く空洞として構成されていることも手伝い、非常に見晴らしがいい。これだけランドスケープを意識したターミナル駅はちょっとないのではないでしょうか。

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外観は東西にのびる大規模なガラス張りが圧巻(fig.03)ですが、内部にはさらにガレリアともいうべきアトリウム空間を覆うガラス状の屋根(fig.02)。未来都市のようでもあり、同時に鉄とガラスの建築にとって黎明期でもあった19世紀のパサージュや万国博覧会会場なんかも連想してしまいます。

見事な吹き抜けを抜けると、空へと開かれた大階段(fig.05, fig.07)。今度は石を意識させます。階段の中途がちょっとした広場になっているのですが、建物が分断されているため風を呼び込めるようになっています。これは心地よい! その横道をゆくと、なんともデットテックな空間へ(fig.06)。この不思議と静かで人工的な遊歩道のすぐ下には伊勢丹があり、きらびやかなブランドのショップが軒を連ねているかと思うとシュールさはいやますというもの(?)。階段を登り切ると、空中庭園といえそうな広場が目の前に広がります(fig.04)。

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石といえば、駅ビル北側の24本の柱には73種類もの大理石や御影石が埋め込まれ、ちょっとしたアクセントを与えています。そういえば建物外観でコンクリート打ちっぱなしの部分と黒曜石の部分とのマッチングが絶妙でもありました。

鉄、ガラス、石......。古きよき京都とは異なるにしても、そうしたマテリアルを意識しながら駅に憩うことができるというのも、案外「京都」的といえるのかもしれません。

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