AmazonのKindle Fireはタブレット市場に一石を投じるか

2011年10月7日 by Eiji Saito

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199ドルという驚異の価格で発表された米アマゾン社の7インチカラー液晶タブレット機、Kindle Fire。カラー表示、アプリ、ゲーム、ウェブ、音楽、動画、読書・・・と、完全にiPadを意識したコンテンツ重視の製品のようです。今後、iPadにとって強力な対抗馬となるかもしれません。Kindle Fireは独自にAmazon silkなるブラウザを搭載しているらしく、その機能も気になるところ。クラウド連携可能で、動作はすこぶるスピーディーだとか。

一方、電子書籍専用リーダーに徹した従来型のKindleも79~149ドルと、こちらは読書好きに対して価格面でも大いにアピールするラインナップ(やはり長時間の読書にはこちらのほうが断然目に優しいでしょう)。用途が豊富なKindle Fireとはうまく棲み分けができている模様。

ところで、アメリカでKindleがヒットしている理由の一つに、セルフパブリッシャーの存在があるようです。セルフパブリッシャーとは、その名のとおり自らの作品を自らで出版する人たちのことですが、そうした自己出版の志をもつ人たちに門戸が開かれ環境が整備されているところに、Kindleの魅力を見出しているユーザーも多いのでしょう。実にKindleのベストセラー書籍の30%以上をこれら自己出版ものが占めるとのデータもあるとか。

これまで紙媒体での自己(自費)出版というと、中身を見るまでそのクオリティを確かめてもらうのが難しい部分があったり、さらには表紙の素人っぽさ(?)が災いして、読まれる機会すら得られにくいケースが多かったと思われます。そこへいくと電子書籍は試し読みのできるケースが多かったり、表紙デザインも電子書籍化サービスにオプションとして用意されていたり、さらにはWEBやソーシャルサービスを利用しての自己プロデュースが比較的容易だったりと、中身さえよければヒットする可能性もそれなりに高いといえそうです。

この流れで考えると、Kindle Fireは従来のKindleシリーズの実績やノウハウを活かし、まだiPadが実現していないような分野を切り開く可能性もあるかもしれません。そういえば最近のAmazonは、Kindle書籍を米図書館で貸し出すサービスをスタートさせただけでなく、クーポン市場にも乗り出したとか。AmazonLocalはユーザーの近所のクーポンを配布するサービスだそうで、これもデジタルライフの未来を見据えての取り組みなのかもしれません。

日本ではここ数年スマートフォン市場がライバル企業同士しのぎを削り活況を呈してきた感がありますが、タブレット市場のほうはまだまだiPadが事実上の独壇場といえる状況。日本でのKindleの受容しだいでは、こちらもシェア獲得を巡っての競争が激しくなってくるのでは。

ジョブズ亡き後のApple社の動向はもちろん、Kindle Fireと同じく7インチのタブレットが各社から続々と登場する気配のタブレット市場、今後の展開から目が離せそうにありません。

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